
企業のクラウド導入が進む中で、
「社内ネットワークとAWSを安全に接続したい」
というニーズが増えています。
そこで登場するのが AWS VPN。
これは、自社のネットワークとAWSをインターネット経由で安全に
接続するための仕組みです。
この記事では、AWS VPNの基本から使い方、メリット・注意点・ 料金までを初心者にもわかりやすく解説します。
AWS VPNとは?
AWS VPN は、オンプレミス(社内ネットワーク)と AWSのVPC(仮想ネットワーク)を安全に接続するための 仮想プライベートネットワークサービスです。
「Amazon VPN」は「アマゾン ブイピーエヌ」と呼びます。 これは「Amazon Virtual Private Network (バーチャル プライベート ネットワーク)」の略で、 Virtual:仮想的・疑似的 Private:私的・個人的な Network : ネットワーク AWSではこのVPNサービスを使って、企業や個人が安全に AWSのクラウド環境へ接続できるようにしているのです。
👉 ポイントは「安全」と「低コスト」
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暗号化通信により、データのやりとりを安全に
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インターネット経由で接続するため、 専用回線(Direct Connect)よりコストを抑えられる
AWS VPNの2つの種類
AWSでは、2種類のVPN接続方法が用意されています。
タイプ | 説明 | 利用例 |
---|---|---|
Site-to-Site VPN | 拠点(オフィスなど)とAWS間を接続 | 拠点からAWSへの常時接続 |
Client VPN | 個人のPCなどからAWSに安全に接続 | リモートワークでのAWS接続 |
1. Site-to-Site VPN
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拠点ルーターとAWSをつなぐ「IPSec VPN接続」
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主に、企業ネットワークとVPC間の恒常的な接続に利用
2. Client VPN
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エンドユーザー(従業員)が、ノートPCなどから AWS環境に接続できる
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OpenVPN互換クライアントを使用し、手軽に接続可能

✅ 安全性
すべての通信はIPSecトンネルで暗号化されるため、 インターネット経由でも安全です。
✅ 柔軟性
オンプレミスのネットワークから複数のVPCへ接続可能。
✅ コスト効率
専用回線(AWS Direct Connect)より安価で導入可能。 スモールスタートに最適。
✅ スケーラビリティ
複数拠点や多くのユーザーもスケーラブルに対応可能。
利用の流れ(Site-to-Site VPNの場合)
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VPCと仮想プライベートゲートウェイ(VGW)を作成
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カスタマーゲートウェイ(オンプレのルーター情報)を登録
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VPN接続を作成し、構成情報をダウンロード
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オンプレミスルーターに設定反映
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ルートテーブルの設定でトラフィックを VPN経由にルーティング
利用料金
AWS VPNの料金体系はシンプルです:
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Site-to-Site VPN
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トンネルごとに 0.05 USD/時間
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データ転送量によって追加課金あり (標準のデータ転送料金が適用)
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Client VPN
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接続エンドポイントごとに 0.10 USD/時間
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ユーザー接続ごとに追加料金(0.05 USD/時間など)
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※最初のPoC(検証)段階では、低コストで始めやすいです。
AWS VPNとDirect Connectの違い
比較項目 | AWS VPN | AWS Direct Connect |
---|---|---|
通信経路 | インターネット経由(暗号化あり) | 専用線 |
安全性 | 高(IPSec暗号) | 物理的に分離されており非常に高 |
コスト | 低 | 高 |
通信速度・安定性 | 中程度 | 高速・安定 |
利用用途 | 小〜中規模システム | 大企業・高可用性要求システム |
まとめ:AWS VPNはクラウド接続の第一歩に最適
AWS VPNは、コストを抑えつつ、安全にオンプレミスとクラウドを 接続できる非常に便利なサービスです。
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オフィスからAWSに直接接続したい企業
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リモートワークでもAWS環境にセキュアに アクセスしたいチーム
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Direct Connectの導入前のテスト接続
このようなニーズに対して、AWS VPNは柔軟に対応できます。
以上!今回はこれまで!
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